障害年金の申立書、社労士に頼まず自分で書けるか調べてみた

社会福祉サービス

以前の記事で、失業手当と障害年金を同時に申請している話を書きました。申請の過程で何度も頭をよぎったのが、「これ、社労士さんに頼まなくて本当に大丈夫なんだろうか」という疑問です。

自立支援医療や失業手当のときは、失業手当のときは、窓口に行けば案内してもらえる感覚がありましたが、障害年金は制度が複雑そうに見えて、最初はかなり身構えていました。今日は、その疑問について自分なりに調べて整理した内容を書いておきます。

診断書と申立書、実は役割が全く違う書類だった

障害年金の申請では、大きく分けて2種類の書類が必要になります。「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」です。この2つ、名前が似ているようで、実はまったく役割が違います。

診断書は医師が作成するもので、ある一時点(現症日)の障害の状態を切り取った、いわば「点」の情報です。一方、病歴・就労状況等申立書は本人が作成するもので、初診の頃から現在に至るまでの経過を時系列でつなぐ、「線」の情報になります。

この役割の違いを最初に理解していなかったので、「診断書さえ書いてもらえば、あとは事務的な作業だけだろう」と思っていました。実際には、診断書をもらったあとに、申立書という形で自分の経過を改めて言語化する作業が別途必要になります。

「通院・服薬」は診断書の正式な評価項目だった

障害年金の等級判定は、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」という、厚生労働省と日本年金機構が2016年に策定した基準に基づいて行われています。このガイドラインの中で、精神の診断書には「食事」「身辺保清」「金銭管理」「通院服薬」「対人関係」「危機管理」「社会性」という7つの項目があり、医師がそれぞれを4段階で評価する仕組みになっています。この7項目の評価が、等級の目安を決める最も重要な部分とされています。

個人的に「これは」と思ったのが、「通院と服薬」がこの7項目の中に正式に含まれていることです。「規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか」を、他でもない主治医自身が判定する項目になっています。

つまり、通院や服薬をきちんと続けてきたかどうかは、社労士がどうこう言う話ではなく、そもそも制度上、主治医の見解が直接反映される部分だということです。「社労士より主治医の方が重要な気がする」という自分の直感は、制度の構造から見ても、そこまで的外れではなかったんだな、と感じました。

社労士の役割は「代行」であって「独占業務」ではない

調べていく中でもう1つ分かったのが、障害年金の申請手続きは、社労士に頼まないと申請できない、という性質のものではないということです。法律上、以下の作業はすべて本人が単独で行うことができます。

  • 病歴・就労状況等申立書の作成
  • 必要書類の収集
  • 医師への診断書の依頼
  • 年金事務所への提出
  • 不支給になった場合の審査請求(不服申立て)

では社労士に依頼する意味はどこにあるのか、と考えると、主に2つの「壁」を代わりに越えてもらう、という点に集約されると思います。1つ目は、自分の感覚を「食事」「対人関係」といった制度の評価軸に翻訳する作業。2つ目は、自分の状態を等級の目安に照らして客観的に位置づける作業です。

ただ、この2つの壁は、実は医師が作成する診断書の時点で、すでにかなりの部分がカバーされています。7項目の評価という形で、医師がすでに「制度の評価軸への翻訳」をしてくれているからです。そう考えると、申立書さえ客観的な事実ベースで書ければ、本人だけでの申請も十分に現実的だと感じました。

自分で申立書を書くときに気をつけたい3つのポイント

実際に自分で申立書を書いてみて、あるいは書く前に調べていく中で、気をつけるべきだと感じたポイントが3つあります。

1. 客観的事実で書く

「つらかった」「悲しかった」という気持ちを書きたくなる場面は多いのですが、審査する側が知りたいのは、あくまで日常生活や就労にどんな支障が出ていたか、という客観的な事実です。心情的な言葉に寄りすぎると、かえって状況が伝わりにくくなってしまいます。

2. 5W1Hを意識する

「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」を意識して書くと、審査官にとって状況がイメージしやすくなります。抽象的な表現だけで済ませてしまうと、具体性が欠けて、実態が伝わりにくくなります。

3. 診断書との整合性を取る

申立書に書いた内容と、医師の診断書の内容が食い違っていると、審査する側に不自然な印象を与えてしまいます。診断書の内容を踏まえたうえで、矛盾のない形で経過を書いていくことが大切です。

まとめ

障害年金は、自立支援医療や失業手当と同じように「専門家に頼まないと無理そう」というイメージを持たれがちですが、実際には、診断書と申立書は役割が別で、しかも診断書の時点で制度の評価軸への翻訳はかなりの部分カバーされています。

診断書をもらえている時点で、実はすでに大きな壁は越えている、と考えてよさそうです。あとは、客観的事実・5W1H・診断書との整合性を意識して申立書を書ければ、本人だけでの申請も十分に現実的な選択肢だと思います。同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。

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